地域おこし協力隊と漆のカウンター。
昨年度から大崎市にも地域おこし協力隊が導入されました。
鳴子漆器の技術を継承すべく、2名の若者が中山平で工房を構える佐藤建夫氏に師事しています。
鳴子漆器はこけしと並んで鳴子で受け継がれてきた伝統工芸です。
カガモクのお店でも鳴子の伝統工芸を活かしたものを取り入れたいと、カウンターと洗面台の天板の漆塗りを依頼しました。
カウンターの天板は、木工が趣味だった地元の温泉旅館の先代が大切に保管していたものを譲り受けたものです。
大事な材を無駄にしないよう、カンナをかけて表面を仕上げました。
拭き漆で仕上がった天板は重厚感を伴って見違えるように美しくなりました。
天板を設置した夜は喜びのあまりさっそくみんなで祝杯をあげました。
これからお店に足を運んでもらう方には彼らの功績をしっかりPRしていこうと思います。
地域おこし協力隊という制度は、都市地域から生活の拠点を移した者に対し「地域協力活動」を行いながら、その地域への定住・定着を図ることを目的として平成21年度より導入され、28年度では全国で4000人もの隊員が活動しています。
任期は最大3年で、1人当たり年間で上限400万円、3年で1200万円の予算措置がなされます。
任期後の定住率は約6割(27年度9月)であり、1人当たりの移住対策費として考えるとリスクが高すぎる投資であると言わざるを得ず、制度上の問題もないわけではありません。
それだけの責任を負っている協力隊員にも相当のプレッシャーもあるはずです。
受け入れた側の地域住民としては、それらの状況をしっかりと認識して、協力隊員が協力しやすい環境を整えるように協力することが不可欠です。
地域のために移住する決断をした彼らの思いに耳を傾け、彼らの活動に関心を持つことが地域住民としての努めではないでしょうか。
さいわい、鳴子で任命された2名は漆の技術の習得に熱心であるだけでなく、草刈り作業や運動会、公民館行事など、地域の活動にも積極的に参加してくれています。
こういう熱意のある若者を受け入れて定住につなげていけるかどうかに、鳴子の未来がかかっているといっても過言ではありません。
ぜひ彼らとともに語り合いましょう。
そして、数年後に彼らが定住してよかったと思える鳴子に、地域住民みんなで築き上げていきたいと思います。
- 2017.06.28 Wednesday
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- 18:48
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- by コウジ